栃木県食糧集荷協同組合(栃集)は8月24日、宇都宮市内で(株)ケツト科学研究所の穀粒判別器「RN-700」の操作説明会を開催した。栃集は2019年12月、現地試験を実施した上で「RN-700」25台の一挙導入を決定
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終更新日:2020年08月20日
農産物検査の一部で機械による鑑定が可能になりました。穀粒判定器は秋の収穫期にしか使用されないため、精度確認をすることなく放置されているケースも珍しくありません。株式会社ケツト科学研究所は自社製品のアフターメンテナンスを実施。常に高精度の判定ができる状態をサポートします。
コメの品質に応じて格付けされる等級判定は、農家収入に関わることから、厳密に行われなければなりません。コメの等級格付けは専門技能を持った検査員によって判定されていましたが、検査レベルの統一、検査業務の迅速化などの観点から、機械による判定の導入が求められてきました。そこで農林水産省は農産物検査の鑑定方法や測定方法の告示を改正。2020年度産からコメの農産物検査のうち、着色粒、死米、胴割粒、砕粒に関しては穀粒判定器で鑑定できるようになりました。
株式会社ケツト科学研究所の『RN-700』も農林水産省の厳しい規格をクリアした判定器の一つです。の画像解析技術を取り入れるなど、様々な改良を加えることで、『RN-700』は農水省の規格をクリアすると同時に、使い勝手も考え抜かれた判定器となりました。
コメをトレイに載せて挿入すると、内部高解像度カメラによる、透過光、反射光など複数光源の撮影で的確な判定ができます
撮影画像の上に重ねて判定結果が表示されるので、一粒ごとの結果や全体的な分布をトレイと見比べて確認ができます
コメの寸法(長さ・幅・面積)も測定され、ヒストグラム表示で全体的な分布を視覚的に把握できます
ケツト科学研究所は、1946年の創業以来、農業用水分計を中心とした測定器をいち早く開発し、長年に渡って継続してきた企業です。
「当社設立の由縁から、『測定器は精度が命』が企業マインドになっています。正確な測定の重要性を痛感している会社といえますね」と語るのは、同社渉外部署を統括する江原崇光さんです。
「測定器にとって重要なのは、いかに測定精度を維持し続けるか、に尽きます」
出荷時に高い精度を誇っても、使用しているうちに精度が落ちるようでは、正確な測定を担保できません。そこで、ケツト科学研究所が重きを置いているのが、アフターメンテナンスです。
「当社では、測定器を販売したら終わりではありません。販売後の精度維持にも注力をしています。特に水分計や穀粒判定器の農産物検査現場における使用頻度は、秋の収穫期に限られるため、利用者が故障に気付かず使用してしまうこともあり得ます。常に正確に測定していただくことを意図して、全国でアフターメンテナンスを実施しています」
ケツト科学研究所では、収穫期を前にした5月中頃から9月にかけて、サービスマンが全国の取引先を回って測定器を点検しています。これほどまでアフターサービスに注力しているメーカーは数少ないと言います。
「測定器は精密機器です。測定器の命である測定精度を継続して維持することは、販売した側の責任だと思っています」
「常に高精度が担保されている」というユーザーの信頼を裏切らない。測定器メーカーだからこその矜持と言えるでしょう。
左)全農パールライス株式会社品質管理部 品質管理室室長兼 お客様相談室室長 西野入英幸さん
右)株式会社ケツト科学研究所技術部門 渉外部署 部署長 江原崇光さん
全国のパールライスや研究所、検査機関を中心に約250台が導入されています
測定器の性能と充実のアフターメンテナンスが評価され、ケツト科学研究所の穀粒判定器は従来から全農パールライス株式会社に導入されてきました。『RN-700』の開発に当たっては、同社へのヒアリングを実施し、データベース管理ソフトの改良などに生かされています。
現在、『RN-700』は全国10カ所の同社精米工場に導入されています。同社の千葉精米工場では月間約4000tのコメを取り扱っています。玄米と精米、それぞれの品質確認のため、穀粒判定するサンプル数は1日に50件を超えることから、年2回のメンテナンスを実施しています。ケツト科学研究所のアフターサービスについて、全農パールライスの品質管理部門を統括する西野入英幸さんはこう語ります。
「当社は大口顧客も多く、独自に穀粒判定器を導入して、納品されたコメの品質をチェックしているお客様もいらっしゃいます。また、工場ごとに、それぞれの顧客が求める基準が異なります。常に顧客の要求に応えるコメづくりに尽力していますが、その裏付けとなる値を計測する測定器が正確でなければ成立しません。年2回のメンテナンスで高い測定精度を維持できているため、顧客から求められる高品質米の生産に応えることができ、信頼につながっています」
実際に、『RN‐700』を使用している同社千葉精米工場の桑野尚之さんは、ケツト科学研究所のサポートに対してこんな印象を持っています。
「測定器とパソコンの接続やデータの活用法、トレイなど消耗品の対応に至るまで、どんな相談も真摯に受け止め、迅速に、丁寧に応えていただけるので、安心して日々の検査に取り組めています」
ケツト科学研究所のサポートは、同社の顧客だけにとどまりません。
「顧客の取引先などにおいては、誤った使用法により、正確に測定できないケースもあります。その場合、ケツト科学研究所から、ユーザー様の取引先様に使用法の指導に出向くこともあります。ニッチな市場から始まった会社だけに、ユーザーから依頼された様々なカスタマイズについては柔軟な対応を心掛けています」(ケツト科学研究所 江原さん)
使用機会の少ない測定器だからこそ、高精度と充実のアフターサービスで、全国のJAや公的機関へ高い導入実績を誇る、ケツト科学研究所の製品を採用してはいかがでしょうか。
メンテナンスでは、一定割合で死米や白未熟粒を混ぜた検査サンプルを用いて、穀粒判定器の精度を確かめます
全農パールライス株式会社 千葉精米工場 品質検査課 桑野尚之さん
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